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短編小説

ふたごのうた

 ←色々整理しました(`・ω・´) →丘の上に小さな花が咲いていました
 とある国では、とても激しい戦いがありました。オリオンという名前の少年はそのときに、敵に父と母を殺されてしまいました。

 少年にはとても仲が良い、双子の妹がいました。少年は賢かったので、このまま家にいれば自分たちも死んでしまうことを知っていました。少年は妹の手をひき、遠くへ逃げようとしました。
 
けれど、家の外ではたくさんの人が泣き叫びながら走りまわっていました。たくさんの敵も、彼らを追いかけていました。そのため、気がついた時には少年は妹の手を離してしまっていたので、2人は離れ離れになってしまいました。

 それから6年が経ちました。少年は旅をしていました。隣には、みすぼらしい姿をしたおじいさんがいます。彼は少年が森の中で倒れていたのを見つけて、自分のテントへと運び、それから少年の世話をしました。そのお陰で、心も体もボロボロだった少年は、体は元気になりました。

 しかし、愛する家族や故郷を失った悲しみは、消えることはありませんでした。

 おじいさんは旅人でした。彼は少年に自分と一緒に旅をしようと言いました。少年にはもう帰るところはありませんので、少年はおじいさんと旅をすることに決めました。

 それから2人は、長い年月を一緒に過ごしました。そうしているうちに、少年は大人になりました。しかしおじいさんはもうどこにもありません。彼は病気で死んでしまっていました。死ぬすぐ前に、彼は少年に言いました。

 「お前の妹は、もしかしらあの山の森にいるかもしれぬ。」

 「本当ですか?」

 大粒の涙を流しながら、尋ねる少年に、彼は大きくうなずきました。彼もまた、少年と一緒に妹を探していたのです。

 少年はありがとうと何回も言いました。その言葉を聞きながら、おじいさんは最後にやさしい声でこう言いました。

 「わしはお前の2人目の父になれて幸せだった。」

 少年はおじいさんのお墓をつくり、お祈りをしてから、山まで走りました。たくさんたくさん走りました。例えどんなに辛い道のりでも、妹への思いが少年の力となりました。

 そうしてようやく、山のふもとの湖まで来ました。しかし、長く走り続けた疲れと、空腹で倒れてしまいました。

 「大丈夫?」

 少年が気がつくと、目の前にはとても美しい娘がおりました。娘は持っていた水筒で少年に水を飲ませました。

 「どうしてこんな所で倒れていたの?」

 娘の優しさに安心した少年はすべてを話しました。戦争で父と母を亡くしたこと、はぐれてしまった妹を探してここまできたことを。

 「私と同じね。」

 「同じってどういうことですか?」

 むすめは、この洞窟の近くに住む熊に、恋人を殺されてしまい、その仇を討つために湖までやってきたが、怖くなってしまい先へ行けないのだと言います。

 その話を聞いた少年は言いました。

 「あなたは僕の命を助けてくれたから、次は僕があなたを助けます。」

 そうして少年は、娘から剣をたくされ、洞窟へと向かいました。

 熊は、洞窟に入ってすぐに見つかりました。小さくうずくまり、まるで眠っているかのようでした。

 少年はチャンスだと思い、そっと熊に近づき、剣で心臓を突き刺そうとしました。

 すると、とても綺麗な歌声が聞こえてきました。それは、少年がこの世界で一番好きな声でした。

 「アリ…ア?これはアリアの声だ!」

 少年は気づいたのです。熊が歌っていることに。そして熊の声が、探し求めていた妹の声だということに。

 熊は少年の声が聞こえたのか、歌うのを途中で止めました。そして…

 「オリ…オン?オリオンなのね?」

 「アリア!アリアなのか!?」

 「ええ。あなたの妹のアリアよ。」

 「どうして君はこんな姿をしているんだ!?」

 「魔女のせいよ。」

 「魔女?」

 「オリオンとはぐれてしまったとき、私はあいつに捕まったの。そしてこんな姿にさせられて、それからずっとここに閉じ込められていたの。」

 「なんてひどい…。」

 ふと、少年はあの娘の話を思い出しました。しかし、少年は妹が人を殺した熊ではないと考えました。

 「アリア。僕にはやらなくてはいけないことがあるんだ。僕の命を助けてくれた人の為に、その人の大事な人を殺したやつを倒さないといけない。君を危険な目に遭わせたくはないから、その人と一緒にいて、僕を待っていてほしい。」

 「でも、こんな姿ではその人を怖がらせてしまうのではないの?オリオンのことも心配だわ。」

 「大丈夫だよ。その人はとても優しい人なんだ。だから話せばきっとわかってくれる。それに僕のことも心配しないで。僕は強くなったから。」

 「本当?」

 「本当だよ。ちゃんと無事に戻ってくるから、そしたら一緒に旅をして、君をこんな姿にしたやつを探して、元の姿にしてもらおう。」

 それから少年は、妹を連れて湖へと戻りました。

 しかし、湖にいた娘を見た妹は、突然娘に襲いかかりました。

 「早く!あいつを殺すのよ!」

 娘が叫ぶのを聞きながらも、少年は妹が人を襲っている姿が信じられませんでした。

 「どうして君が人を襲うんだ!」

 「だって、その人が魔女なんだもの!」

 少年はすぐに娘の方を見ました。すると、娘の美しい顔が、いつの間にか歪んで醜い顔へと変わっていました。

 「ばれちゃあしょうがないねぇ。」

 「どっ…どういうことですか!?」

 「そうさ。私は魔女だ。私は美しくなりたかったんだ。その時、そいつが一人で泣いているじゃないか。可愛らしい声に可愛い顔。ずるいじゃないか。私にもどちらかあれば、きっと独りぼっちじゃなかった。だからそいつの姿をもらうことにしたんだ。そうすれば、もう独りにならなくて済む。でも…。」

 魔女はそういうと、突然何かを呟きました。それが自分を死なせる魔法だと気づいた時には、もう魔女は灰になってしまっていました。

 「すまないアリア。君を元に戻すやり方を聞き出すことができなかった。」

 少年は魔女を止められなかった自分を責めました。

 「僕はやっと君の兄に戻れるというのに、君を助けることができなかった。」

 「それは違うわ。」

 「アリア?」

 「オリオンは今の私を見つけてくれた。そしてようやく兄と妹に戻ることができる。私の姿は違うけど、それでも私は私。あなたの妹である私は何も変わっていないわ。心も、そして歌も。…そうでしょう?」

 そう言うと、妹は歌い始めました。それは、兄が妹の為に初めて作った大切な歌でした。

 妹の声はとても美しくなっていました。どんなに醜い姿にかわっても、昔と変わらない妹の優しい心があるからこそだと、兄は感じていました。

 兄も歌いました。でも妹は自分の声に合わせて歌われているメロディーを知りませんでした。

 兄は、いつか妹に会えるときを夢見て、ハーモニーを作っていました。その響きは、まるで2人のようなあたたかく優しい光となって、2人を包み込みました。

 すると、妹の体がどんどん小さくなりました。顔、手、足、すべてが変わっていきました。

 光がすっと消えた頃には、妹は魔女の美しかったころの姿と同じ…いや、それよりもずっと美しく、愛らしい姿になりました。2人の思いと歌声が、奇跡を呼んだのです。

 2人は泣きました。つらく悲しい日々を思いながら、大切な片割れを取り戻した喜びを感じながら、ずっとずっと泣き続けました。

 2人の今までの人生は、決して幸せではありませんでしたし、もしかしたらこれから先、辛いことが待っているかもしれません。しかし、彼らは1人ではありません。苦しみや悲しみは2人で分け合い、喜びや楽しみは2人分です。だからきっと、2人は大丈夫でしょう。何があっても…。










大学に居た時に児童文学の授業で書いた作品です。勿体ないのでここでUPしてみたのですが需要あるかしら?
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